photo オルトマンワラエビリ
か細い足でいずこへ

-
 太平洋に突き出した紀伊半島の最先端に位置する和歌山県串本町。本州最南端のこの町のすぐ沖を流れる黒潮の恵みが、多くの生き物を育み、海の中には貴重な生態系が残されている。
 写真はソフトコーラルに潜んでいる抱卵中のオルトマンワラエビだ。水深20メートルで撮影した。
 エビと名前が付いているが、カニのようにも見える。歩脚の数でヤドカリの仲間に分類されるという。
 少し前まではムギワラエビという和名で呼ばれていたが、研究が進み、現在の名前になった。少々ややこしい甲殻類だ。この種は本州南部で普通に見ることができるが、海外ではあまり見かけることがない。
 1センチの甲長に対して、はさみや歩脚が長く、矢のように見える。英語では「アロウシュリンプ」と、わかりやすく簡単に呼ばれている。